訳者の方の序文

訳者序文〈※原文はハングル表記）

最近流行するウェルビーイング（well-bing）やウェルルッキング（well-looking）などの命題は、心身の健康を追究しつつも、より健康で美しい容貌を得ようとする現代人の心理を反映するものとして、持病に対する治療の次元を超える包括的な健康管理のための欲求の一側面であると見られる。

特に間違った姿勢や習慣、過度のスポーツ活動などい起因して、体形の不均衡を招来し、亀首、彎曲、扁平など、過去にはなかった多くの名称の症候群を持って医療機関を訪ねる患者が増加するにつれて、姿勢および体形矯正に関する治療領域は研究、開拓されなければならない新しい関心分野としての地位を占めていることは事実である。

日本の身体均整法という身体矯正法について叙述した本書は、運動系（kinetic system）だけの問題として認識されていた身体不均整が内臓器官の緊張と自律神経の不均整という潜在的原因によって問題がはじまり、運動系における持続的な補償作用によってより深刻化することがるとの観点から書かれた本である。

医学書籍というよりは、たぶんに直感的、経験的な叙述になっているが、多くの実際の矯正事例を通じて、整理され、発展した身体矯正法であるとの側面から、いかなる観点から、いかに治療するかに関する好奇心を充足し、人生の多くの時間を費やした著者の洞察力を垣間見ることも、本書を読むいまひとつの喜びとなるであろう。

本書を通じて、読者たちは人体を観察し、治療に接近し、また他の観点を得られるようになるだろう。内容の根幹となる多様な背景−解剖生理、生体疫学、手器治療など−に対する十分な理解を土台として、この本が使用されることを願うものである。 （以上）